前回は、吉野家の値下げ戦略 のことを書きました。
私の予想は、値下げしても会社想定の3割も売上が増えないと言うこと。
実際の売上も、当初は予想通りだったが続かないので、吉野家の予想を下回った。
もう少し掘り下げて考えてみましょう。
『「失ってきた顧客を取り戻すための施策」(吉野家ホールディングスの松尾俊幸・グループ企画室長)が、収益を圧迫した。』
そして、
『前年同期比では2倍となる10億円近い広告費を投入したことに加え、急激な客数増に備えてアルバイトを重点的に配置したことによって、販売管理費がかさんだ。』
しかし、どうなんだろう。
広告宣伝費、人件費の増加は、思ったように売上が増えなかったので収益を圧迫しているに過ぎない。
広告宣伝費が10億円、売上が100億円の場合売上比は10%、でも売上が1000億円なら売上比は1%になる。
売上が想定通りだったら、何も問題にならなかったはず。
また、
『食材原価についても、米国産の牛バラ肉価格は6月で1キログラム当たり620円程度と、前年同月比で3割前後も下落したが、この間進んだ急速な円安が重しとなった。「食材の仕入れ価格の上昇は続いている」と松尾室長は説明する。』
吉野家の値下げは4月18日からだ。
急激な円安と言っても、衆議院の解散は昨年11月16日。
安倍晋三首相は強力なリーダーシップのもとに、円高の是正をすると言っていた。
値下げした4月の円相場は、1ドル95円前後。
今の円相場は100円前後だが、想定できなかったのだろうか。
吉野家は、アメリカ産牛肉をもっと安く調達できると思っていたらしい。
過去においては、確かに安く調達できた。
でも、時代は動いている。
牛丼で使う米国産牛バラ肉は、日本のメーカーしか使わない時代は、大量仕入れにより安く仕入れることができた。
今は、韓国、台湾のメーカーも米国産牛バラ肉を購入するようになった。
だから、今までのように価格が下がらない。
私でさえ、このことを知っていたのに、吉野家は?
いずれにしても、庶民の味方として吉野家には頑張ってほしい。
東日本大震災以後、簡単に想定外という言葉を使うようになった。
勉強すれば想定できることが想定できない場合も、想定外というのだろうか。
私が勉強、勉強というのは勉強すれば、ある程度のことは想定できるようになるから。
同じ景色を見て気が付かないことが、気が付くようになる。
やはり、中小企業は勉強あるのみ。
皆様の健闘をお祈りいたします。